魚の青物(青魚)とは?美味しく食べる方法や栄養素について解説
魚料理のなかで、青物という言葉を聞いたことがあると思いますが、どのような魚のことを指すのかご存知でしょうか?
この記事では、青物の定義や代表的な種類、栄養素、美味しく食べる方法について詳しく解説します。
魚の青物(青魚)とは?
魚の青物とは、青みがかった鮮やかな色をした海水魚で、代表的なものはマグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリなどが挙げられます。
青物一覧
マグロ
カツオ
サバ
イワシ
サンマ
ブリ
カンパチ
サワラ
ヒラマサ
アジ
一般的に知られている青物は上記のような魚です。
青物は非常に美味しく、世界中で食べられる海産物としての需要も高く、日本料理においても欠かせない食材のひとつであり、日本人にとってもなじみ深い存在です。
なお、背の青い魚の総称で「青魚・青背の魚・青物」と呼ばれますが、一般的には「青物」と呼ぶ人が多いです。
しかし、厳密な定義はない
意外かもしれませんが、魚の「青物」という用語に厳密な定義は存在しません。
一般的には、背中が青い色をしている魚を指すことが多いですが、地域や人によってどの魚を青物に数えるかは異なることがあります。
「青物」という表現は、その青い色の外観や生態的な特徴から来ていますが、正確な種類や範囲を示す学術的な分類ではありません。
したがって、漁師、料理人、地域によって「青物」とされる魚の種類には多少の違いがあるとされています。
なぜ青物は青くなる?
青物が青みがかった色をしている理由は、体内に含まれる色素細胞「クロマトフォア」が、青色の色素「プリオシアニン」を多く含むことが原因です。
この色素が体内にたくさん蓄積されることで、青みがかった色をしています。青物は海中でも目立つ色をしており、種々の生物から捕食を避けるための防御色としての役割も果たしています。
さらに、クロマトフォアは青色以外の色素も含んでおり、黄色の色素「キサンチン」や、赤紫色の色素「アストアキサンチン」などが含まれます。
これらの色素は、青物の体内に少ししか含まれていないため、青色が優勢になっていることが多いと言われます。
また、青物の体色が周囲の環境によって変化することがあります。たとえば、海水の温度や塩分濃度、光の強さなどが変化すると、青物の体色も変化することが知られています。
青物に含まれる栄養素
子供の頃から「青物は体にいいから食べなさい」と言われた人は多いと思います。
青物には、「タンパク質・DHA・EPA・ビタミンB群・ミネラル」など、豊富な栄養素を含んおり、これらの栄養素には血管を拡張させる効果や血栓を予防する効果、病気の原因となる活性酸素を除去する効果などがあります。
また、DHAやEPAは、脳や目の発育に重要な役割を果たすと言わているので、青物を摂取することは健康にいいとされています。
青物を使った人気の調理方法
青物は非常に美味しいですが、正しい調理方法を知らないと、風味や食感を損ねてしまうことがありますので、ここでは青物の美味しく食べる方法についていくつかピックアップしていきます。
刺身
青物の中でも、マグロやカツオは刺身として食べることが一般的です。刺身は、新鮮な魚をそのまま食べることで、鮮度や風味を最大限に楽しめる方法です。
刺身にする際には、新鮮なものを選び、きれいに脂を落としてから食べるようにしましょう。また、刺身用の醤油やわさびを合わせることで、より一層美味しく食べることができます。
焼き魚
青物は焼き魚としても美味しく食べることができます。焼き魚にする場合は、魚の表面に塩を振ってから焼くと、皮目がパリッと仕上がります。
また、脂の部分を上にして焼くことで、脂が落ちにくくなり、風味も良くなります。焼き魚にする際には、一度に多くの魚を焼くのではなく、1匹ずつ焼くようにすると、焼き加減を調節しやすく、美味しく仕上がります。
煮付け
青物は煮付けにすると、しっかりと味が染み込みとても美味しくなります。煮付けにする場合は、醤油やみりんなどで味を整え、薄くスライスした大根や人参、しいたけなどと一緒に煮ます。
煮汁が魚全体に染み込むように、魚をひっくり返すなどして、丁寧に煮込むことがポイントです。煮付けにする際には、骨が残ってしまうことがあるため、注意が必要です。
水銀には注意
青物は、刺身や焼き魚、煮付けなど、さまざまな調理方法で美味しく食べることができますので、正しい調理方法を知り、鮮度の良い青物を選び美味しい料理を作ってみましょう。
ただし、青物に含まれる水銀には注意が必要です。
水銀は、神経系や腎臓、免疫系にダメージを与え、発達障害や認知症、腎不全などの病気を引き起こす可能性があります。特に、妊婦や乳幼児、高齢者などは、水銀による健康被害のリスクが高いため、青物を食べる際には、摂取量に注意し、適量を守るようにしましょう。
青物の高級魚としての市場価格、養殖方法について
青物は高級魚としても知られています。
ここでは市場価格や青物の養殖方法についても解説します。
青物の市場価格
青物の市場価格は、種類や時期、漁獲量などによって大きく異なります。一般的には、マグロやカツオなどの高級な種類は、価格が高くなります。また、漁獲量が少ない時期や、需要が高い時期には、価格が上昇する傾向があります。
日本国内では、築地市場をはじめとする各地の市場で、競りによる取引が行われています。競りによる取引では、漁師が水揚げした青物を、市場に集まった仲買人たちが入札し、最高額を出した仲買人に売られます。競りによる取引では、需要と供給によって価格が決まります。
一方、世界的な市場では、マグロなどの高級魚は、日本を中心に各国で取引されています。このため、世界的にも青物の価格は高くなっています。
青物の養殖方法
青物の養殖方法は、大きく分けて2種類あります。ひとつは、稚魚を海に放流して自然の海で成長させる方法であり、もうひとつは、魚を養殖池などで飼育して成長させる方法です。
自然海で成長させる方法は、自然の海の環境に合わせて育った青物は、身が引き締まり、うまみが増すと言われています。しかし、自然海で育った青物は、漁獲量が不安定であり、環境汚染や天候の影響を受けやすく、漁獲量の減少や品質の低下などの問題があります。
一方、養殖池などで飼育する方法は、漁獲量が安定し、品質にも一定の基準が設けられるため、需要に応じた安定した供給が期待できます。また、養殖池などの環境を管理することで、環境汚染や病気の発生を防止することができます。
青物の養殖方法には、環境に配慮した持続可能な方法が求められており、海洋に余計な負荷をかけない養殖技術の開発が進められています。
まとめ
今回は青物の特徴や健康効果、美味しく食べる方法、市場価格や養殖方法、持続可能な漁業について解説しました。
青物は、青みがかった鮮やかな色をした海水魚の総称で、豊富な栄養素を含み、健康効果も多くありますが、水銀に注意しなければなりません。正しい調理方法を知って美味しく食べることが大切です。
市場価格は、漁獲量や需要によって大きく異なりますが、高級魚として扱われており、養殖方法には、自然海で成長させる方法と、養殖池などで飼育する方法があります。
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