【初心者向け】釣り効率を上げる!種類別釣り糸の完全攻略ガイド

釣り糸は、魚種や釣り方に合わせて選ぶことが非常に重要で、ただ魚を引き上げるための道具ではなく、釣りの成功率を大きく左右する要素です。
糸の選択が適切でなければ大物を逃す原因になりますし、釣りの楽しみ方や釣果にも大きく影響するため、糸の特性を理解し状況に応じて最適なものを選ぶ知識は全ての釣り人に不可欠です。
この記事では、主に使用される4種類の釣り糸である「ナイロンライン、PEライン、フロロカーボンライン、エステルライン」について、基本的な特徴、利点、欠点を詳細に解説し、それぞれの糸がどのような条件や目的に最適かを共有していきます。
ナイロンラインの特徴

ナイロンラインの特徴は、比較的高い強度で、大型の魚に対しても信頼性が高いことや、伸縮性があるので、魚が突然引っ張った際の衝撃を吸収し、糸切れのリスクを減らします。
また、さまざまな環境下での使用に耐えうる優れた耐摩耗性を持っていますので、岩や障害物に接触してもすり減りにくいです。
ナイロンラインの用途
ナイロンラインは、その汎用性の高さから様々なタイプの釣りに適しています。特に、初心者や多様な釣りを楽しむ方に推奨されます。
また、伸縮性があるため、小型から中型の魚を釣る際に理想的で、この特性が糸切れを防ぎながらも魚を上手くやり取りするのに役立ちます。
陸からの釣りやボートを使用した釣りにも適しており、さまざまな環境での使用に耐えうる汎用性を持っています。
ナイロンラインのメリット・デメリット
ナイロンラインのメリットは以下のようになります。
- 比較的安価であり、初心者や頻繁に糸を交換する必要がある方にとって経済的
- 柔軟性と扱いやすさから、キャスティングやラインコントロールが容易
- 耐摩耗性と強度に優れているため、長期間にわたって使用できる
一見すると完璧なラインに思えるかもですが、以下のようなデメリットがあります。
- 伸縮性が高いため、魚のアタリを感じ取りにくい場合があり、特に繊細な釣りには不向きな場合がある
- 長期間の使用や直射日光の下では、ナイロンラインは劣化しやすい傾向にある
- 水を吸収する特性から伸縮性が増し、衝撃吸収能力などを向上させますが、一方で感度も低下
ナイロンラインはその多目的な使用性、コストパフォーマンスの高さ、そして扱いやすさから、多くの釣り愛好家にとって魅力的な選択肢となっています。
しかし、使用する環境や目的に応じて、そのデメリットを考慮し適切なラインを選ぶことが重要です。
PEラインの特徴

PEラインは非常に高い強度があるので強い負荷に耐えれることや、伸びがほとんどないため感度もよく、魚の動きや底質の変化などをダイレクトに伝えてくれます。
また、PEラインは強度がありつつも細いので、長距離のキャスティングに適していることや、水を吸収しにくいため使用中の重さが変わらない利点もあります。
PEラインの用途
PEラインは特に感度が重要なルアーフィッシングに最適で、バイトの感知やルアーの操作がしやすくなります。
また、高い強度と耐久性があるので、大型魚を狙うオフショアフィッシングにも適していますし、軽量性が高いので長距離キャストしたいとき大きなアドバンテージになります。
PEラインのメリット・デメリット
PEラインのメリットは以下のようになります。
- 高い耐久性を持ち紫外線や塩水にも強いので、長期間にわたる使用が可能
- 強度が高いにもかかわらず細いので、リールに多く巻けることや、長距離キャスティングが容易になる
- ほぼ伸びないため、魚のアタリを素早く感じ取ることができ、アクションのコントロールがしやい
このように、「強度があるのに細い」というのがPEラインのメリットになりますが、デメリットも存在します。
- 高い強度を持つ反面、結び目の部分では強度が大きく低下することがある
- 他のラインに比べると高価なので、初期投資が大きくなりやすい
- 強度はあるものの細いので障害物に触れると容易に切れる
- 他のラインと比べて張りがないので、バックラッシュしやすく、なかなか直らない
PEラインはその高い強度、優れた感度、軽量性により、特にルアーフィッシングやオフショアフィッシングにおいて多くの釣り人に選ばれています。
しかし、結び目の強度や価格、切れやすさなどのデメリットを理解し、適切な用途に使用することが重要です。
適切に使用すれば、釣りの効率と楽しさを大いに高めることができるでしょう。
フロロカーボンラインの特徴

フロロカーボンラインの最大の特徴のひとつはその高い透明度で、水中でほぼ目立たなくなるため、警戒心の強い魚に対しても効果的です。
また、フロロカーボンラインは高い耐摩耗性を持っており、岩や障害物による摩擦に強く、ラインの破損を防ぎます。
感度はPEラインに劣りますが、ナイロンラインよりも伸びが少ないため、比較的高い感度を持っていますので、これにより繊細なバイトを感じ取りやすくなります。
フロロカーボンラインの用途
フロロカーボンラインその高い透明度のため、特に透明度の高い水域での釣りに最適です。
また、底質に接触する機会が多いボトムフィッシングにおいて、耐摩耗性が重要になりますが、フロロカーボンラインは耐摩耗性が高いので、岩場や沈木、水草などの障害物が多い場所に効果的で、バスフィッシングのように複雑なカバーのなかで釣りをする際に重宝します。
他にも、フロロカーボンラインは温度による影響を受けにくいので、冬季や寒冷地での釣りに使用されることがあります。
PEラインのリーダーとして人気
フロロカーボンラインは、その強度と透明度のため、他の種類のメインラインと組み合わせてリーダーとして使用されることが多いです。
特にPEラインと組み合わせることが多く、隠密性と強度を増すことができます。
フロロカーボンラインのメリット・デメリット
フロロカーボンラインのメリットは以下のようになります。
- 水中で目立ちにくいため、警戒心の強い魚を狙う際に有利
- 耐摩耗性に優れており、岩場や障害物が多い場所でも長持ちする
- 比重が大きいため水に沈みやすく、ボトム付近での釣りに最適
フロロカーボンラインの最大のメリットは「耐摩耗性」になるかと思います。
しかし、高い剛性のため取り扱いが難しいデメリットがあります。
剛性(ごうせい)とは、物質や構造が外力に対して変形しにくい性質を指します。釣り糸において言及される剛性は、糸がどれだけ曲がりにくいか、または伸びにくいかを示す指標です。
つまり、フロロカーボンラインのような高剛性の糸は、「糸巻きのクセ」などのクセがつきにくい特徴があり、人によってデメリットに感じることがあります。
なお、剛性という言葉は釣りをしているとよく出てきますので、以下を覚えておきましょう。
・力に対して変化が小さいものは剛性が高い(大きい)
・力に対して変化が大きいものは剛性が低い(小さい)
エステルラインの特徴

エステルラインは他のラインに比べて高い柔軟性があるので、結びやすさや扱いやすさが向上することや、他のラインよりも直径が細い物が多いので、より繊細な釣りや隠密性を求める状況で有利に働く特徴があります。
エステルラインの用途
エステルラインの細い直径と柔軟性は、繊細なルアーの操作や細かいバイトの検知に適しており、近年はアジングやトラウトで人気が高まっています。
また、エステルラインは水よりも比重が重いので「軽量ルアーを細い糸で沈めたい」という場面で重宝します。
なお、釣り糸における比重を簡単に言うと、釣り糸が水に対してどのように振る舞うかを示す指標で、「水より重いか軽いか」ということです。
基本的に水の比重は1とされており、これを基準に考えると各ラインは以下のようになります。
- PEライン:比重は約0.97で、これは水よりもわずかに軽いことを意味するのでPEラインは基本的に水に浮く
- ナイロンライン:比重は約1.14で、水に少しだけ沈む性質があるが、実際の釣りではほぼ中性に近い浮力を示すことが多い
- エステルライン:比重は約1.38で、ナイロンラインに近いか、ややそれよりも軽いので、多目的に使用できる特性を持っていると
- フロロカーボンライン:比重は約1.78で、水よりもかなり重いことなのでフロロカーボンラインは水中で沈みやすい
エステルラインのメリット・デメリット
エステルラインのメリットは以下になります。
- 柔軟性が高いため、結びやすく、扱いやすいので繊細な釣りを好むアングラーにとってメリット
- 細い直径は、ラインが水中で目立ちにくくなるため、警戒心の強い魚を狙う際に有利
簡単にまとめると「細いのに沈む」が最大のメリットかと思います。
もちろんデメリットもあります。
- エステルラインは他のラインタイプに比べて強度が低い
- 摩擦による損傷には弱いので、岩場や障害物が多いエリアでの使用には不向き
- 他のラインタイプに比べて感度が低いことがあり、微細なバイトを見逃す可能性がある
エステルラインは、その柔軟性や細い直径により、特に繊細な釣りや警戒心の強い魚を狙う際に有利な特性を持っています。
しかし、使用する際にはその強度の限界や摩擦耐性、感度の低さなど、いくつかの注意点を理解する必要があります。
結局のところラインは場面によって変わる
おそらく初心者の人は「どのラインを買えばいいのか?」と悩むと思いますが、釣り糸の選択は、釣りをする場所や釣り方に大きく依存します。
それぞれの使用状況についての概要
- ナイロンライン:汎用性が高く、特に初心者や多様な釣りに適しており、比較的伸びがあり、衝撃吸収能力が高い
- PEライン:高い強度と感度が特徴で、ほとんど伸びないため、水中の微細な動きを素早く感知し、長距離キャスティングに最適
- フロロカーボンライン:透明度が高く、水中で目立ちにくいことや、高い耐摩耗性が特徴
- エステルライン:柔軟性が高く、その細い直径は繊細な釣りや警戒心の強い魚に対して有利
結局のところ、最適なラインは釣る魚の種類、釣りのスタイル、そして環境によって異なります。
釣り糸を選ぶ際はこれらの特性を考慮し、自分の釣りのスタイルや環境に最も適したものを選ぶことが重要で、正しいラインの選択は、釣りの楽しさと成功率を大きく向上させます。
lbから号数の早見表

釣り糸を購入する際、lb(ポンド)などの表記に混乱すると思いますので、上記の記事を活用してください。